ネットワーク・トピックス・募集
●トピックス
ABK多文化実験工房創作劇『東京新世界』
財団法人アジア学生文化協会では、音楽や舞踊、美術作品の共同制作を通じアジアの留学生と日本人の交流を行う事業を実施している。今年は、7カ国40名が参加して演劇公演を行う。参加者がワークショップを重ねるなかで、テーマ、テキストを作成。留学生の視点から現在の東京を描いた作品を公演する。会場は三百人劇場(東京都文京区)。
[問い合わせ先]財団法人アジア学生文化協会 Tel. 03-3946-4121
●ネットワーク
X'masクルージング・コンサート~ヴァイオリンは海風にのって
大阪府文化振興財団と泉佐野、河内長野、八尾など府内11の市の文化振興財団が、クラシックの洋上コンサートを共同で実施する。出演は大阪出身の世界的ヴァイオリニスト辻久子と大阪センチュリー交響楽団のメンバー。大型客船をチャーターし、大阪湾遊覧とコンサート、ディナーを楽しんでもらう。
[日程]12月12日 [会場]おりえんとびいなす号(日本クルーズ外洋客船)
[問い合わせ先]大阪府文化振興財団 Tel. 06-449-5737
●募集
ガムラン・舞踊グループ"ヤマサリ"共同招聘団体募集中
第10回を迎える全国太鼓フェスティバル(98年10月18日予定)の特別ゲストとして、インドネシア・バリ島随一の実力派ガムラン・舞踊のグループ“ヤマサリ”の招聘を計画中。ワールドミュージックの華、超絶のガムランをわが自治体、ホールへ、という共同招聘団体を募集中。ぜひご連絡ください。
[問い合わせ先]陸前高田市商工観光課内 全国太鼓フェスティバル実行委員会 Tel. 0192-54-2111堺伸也
●voice
「すみだトリフォニーホール」と新日本フィルの挑戦
墨田区文化振興財団常務理事 田中進
夏の夜空を彩る花火、櫓太鼓が響き鬢つけ油の匂う国技館の界隈、ファッションとハイテクを支えるものづくりの現場に宿る職人魂。そんな江戸庶民文化の伝統が今も息づく隅田川東岸のまち、墨田区。
その墨田区に今年の10月、待望のオーケストラがやってきました。「すみだトリフォニーホール」の開館とともに、新日本フィルハーモニー交響楽団がフランチャイズオーケストラとしてホールに居を構えたのです。オーケストラ活動に必要な機能をすべて備え、練習も本番と同じ舞台で行うという日本では初めての試みがスタートします。およそ10年前に遡るホールの構想段階から、オーケストラの要望を取り入れ、オープンの間際までオーケストラと音響のテストを繰り返してきました。
かつて区が夢想だにしなかったオーケストラのフランチャイズは、14年前に始まった「国技館の5千人の第9コンサート」に源を発します。国技館の両国復帰を祝って行われたこのコンサートに結集した区民の音楽に寄せるエネルギーが、「音楽都市すみだ」のコンセプトを生み出し、オーケストラのフランチャイズとして今、ひとつの実を結ぼうとしています。
フランチャイズの提携から足掛け10年、オーケストラは小中学校の体育館での出前コンサート、音楽の授業への協力、さらには福祉施設への訪問など年々、草の根の活動の幅を広げてきました。オーケストラのフランチャイズには、音楽文化の振興だけでなく、地域のイメージアップ、経済波及効果、さらには教育、福祉への貢献など多面的なメリットが期待されています。いよいよ、これからその真価が問われますが、ホール、新日本フィルとも、限りなく拡がる大きな夢の実現に意欲を燃やしています。
「すみだトリフォニーホール」ではホールの開館を記念し12月に「ホール運営の活性化のために」と題するシンポジウムを行います。その際、当ホールの紹介もいたしますので、皆様方のご参加をお待ちしております 。
●voice
ヴェルディの故郷を訪問
山形県文化環境部文化振興課課長補佐 安達正司
11月8日、9日に山形県の酒田市と山形市で「"ヴェルディの声"やまがた国際音楽祭」が開催されます。イタリア北部のブッセート市で1961年より開催され、世界のオペラ界に幾多の逸材を輩出している「ヴェルディの声国際コンクール」の入賞者6名を招き、豊かな若い才能を披露してもらう、いわば日本でのデビューコンサートです。県内アマチュア合唱団との共演なども織りまぜ、広く楽しめる音楽祭にしたいと考えています。
このたび準備のため、ヴェルディが生まれ育ったブッセート市を訪問、7月5日のコンクールのファイナルを見て参りました。出場者は21カ国総勢88名で、最終選考に進んだのは13名(日本人8名は残念ながら残れませんでした)。当日はあいにくの雨で、市庁舎前の特設野外ステージでの開催ができず隣町の公会堂での開演となりましたが、出演者の熱唱に"ブラボー"の声と惜しみない拍手が会場に鳴り響きました。
ブッセート市は、商業経済の中心地ミラノの南東に位置し、人口約7千人、中世の面影が強く残っている芸術文化に彩られた小都市です。おいしい生ハム、チーズ、果物、ワインなどを生産する農村地帯にあります。豊かな食文化は優れた芸術文化を育てるようです。山形での音楽祭が山形県とイタリアとの文化の架け橋になればと願っています。