一般社団法人 地域創造

アーツセンター情報

北海道・東北

●上磯町総合文化センター(かなでーる)(北海道上磯町)
〒049-01 北海道上磯郡上磯町(かみいそちょう)中野通2-13-1
Tel. 0138-74-2000 高橋慎一
97年7月21日オープン
函館市の西隣りに位置し、大・小ホール、会議室、展示室、図書館からなる複合施設。大ホールは音楽を主とした多目的タイプ。これまで地域にホールがなく、住民の文化活動の成果発表の場が要望されていた。ホール運営への住民参加に関する講演などを町が開催するなかから、オープンに先立ち、町民による民間組織「かなでーる協会」がホールの自主的サポーター組織として発足。住民主体による事業の企画立案・実施を目指す。今後、個人・法人会員の募集を開始し、サポーターの和を広げるとともに、機関誌の発行、学習会の開催を計画して会の活性化を図る。オープニングはNHK公開番組「家族対抗ふるさとチャンピオン」、童謡コンサート、ギターリサイタルなど。
[設置者]上磯町
[運営者]上磯町
[ホール席数]大ホール1000席、小ホール300席
[設計者]株式会社山下設計北海道支社
 
●六ヶ所村文化交流プラザ(スワニー)(青森県六ヶ所村)
〒039-32 青森県上北郡六ヶ所村(ろっかしょむら)大字尾鮫字野附1-8
Tel. 0175-72-3400 川畑一
97年7月1日オープン
ホール、会議室、図書館などからなる複合施設。身近な文化・国際交流の場の提供を目指し設置。愛称名は隣接する尾鮫沼(おぶちぬま)に冬期飛来する白鳥にちなむ。村には原子燃料サイクル施設が設置され、外国人技術者などの来訪時の国際会議にも対応できるよう6カ国語同時通訳設備をホールに備える。柿落としは東京交響楽団ファミリーコンサート。オープン後は劇団め組による児童劇『青い鳥』『ベニスの商人』、二期会によるミュージカル『ヘンゼルとグレーテル』を実施予定。そのほか映画会を随時開催し、封切り作品を含め住民に提供。
[設置者]六ヶ所村
[運営者]財団法人六ヶ所村文化振興公社
[ホール席数]706席
[設計者]U&A

 

関東

●横浜市港南区民文化センター(ひまわりの郷)(横浜市)
〒233 神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1
Tel. 045-848-0800 堀利文
97年7月8日オープン
市が各区に整備している区民文化センターの4館目。上大岡駅、バスターミナル、商業施設が入る再開発ビル上の4~7階部分に設置。ホール、音楽ルーム、ギャラリーなどを有する。ホールはロの字型のバルコニー(2階席)をもち、アコースティック楽器の響きを主に重視して設計。オープン記念としてベルリンフィル管弦楽団の14人からなる演奏会を実施。小編成のクラシックを中心とした多彩な鑑賞プログラムのほか、夏休み企画として古今亭志ん輔による解説付きの「青少年のためのオーケストラ入門コンサート」や初心者のための「40歳からのピアノ」ワークショップなどで地域に根づいた文化活動の育成を図る。
[設置者]横浜市
[運営者]横浜市文化振興財団
[ホール席数]381席
[設計者]株式会社石本建築事務所
 

近 畿

●和歌山ビッグホエール(和歌山県和歌山市)
〒640 和歌山県和歌山市手平2-36-6
Tel. 0734-33-0035 栗山昌之
97年7月20日オープン
旧国鉄操車場跡地を利用したアリーナ形式の大規模な多目的ホール。くじらをイメージした長円形(80メートル×44メートル)の銀色の外観が特徴。内装には県産の天然木材を使用。そのほか雨水を冷却・散水・消防用に再利用するシステムを採用し省エネ対策を図る。大型の集会・展示・体育・交流機能を有し、スポーツ、コンサート、演劇、コンベンションなど各種イベントに対応が可能。オープニングは蜷川幸雄総合演出による県民参加劇『銀色クジラの時間旅行』。また、開館記念としてバスケットボール、テニスなどのスポーツ愛好者に一般開放する。
[設置者]和歌山県
[運営者]和歌山県文化振興財団
[ホール席数]8500席(最大)
[設計者]日建設計

 

トピックス

●練習場施設の草分け、新潟市音楽文化会館が20周年

 

 今から20年前、「大勢で集まれて、周囲を気にせず大きな音を出して練習できる文化施設が欲しい」という市民の強い声を受けて誕生したのが新潟市音楽文化会館(以下音文)です。今でこそ各地で公共の練習場施設が建設されていますが、当時としては画期的な施設でした。さらに、当初から7人の専門職員が採用されたことで、市民に欠かせない文化活動の拠点として成長することになります。

 

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 音文には大中小13室の練習室と、525席のホールがあり、平日でも夕刻になると、仕事帰りの市民が続々と集まってきます。オカリナのサークル、市民吹奏楽団、中高年に人気の社交ダンスサークルなど、練習室は大変な活気に溢れます。

 

 実は当初、吹奏楽やロックなどは、音漏れのためホール本番中の練習については制限せざるをえませんでした。そこで、83年に4室の改修に着手。開館以来、音文の職員を務める平田和彦庶務係長は、「当時は音響技術もあまり進んでいなくて、試行錯誤でした。利用者の声を踏まえながら、1室ごとに素材や設計について音響設計会社、施工業者と会館スタッフが議論を重ね、4室目には遮音効果が非常に高く、ミニコンサートもできる練習室も実現しました。結果的に13室それぞれ個性のある練習室になりました」

 

 改修が完了した87年には、利用者も19万人を超え、以来年間約20万人の市民が音文を利用しています。使い込まれた職員手づくりの楽器止めや、各室ごとに備えられた十分な譜面台など、備品1つ1つも利用しやすいよう配慮されています。また、利用者から寄贈されたものも含め、65器の楽器が希望者に貸し出されているのも大きな魅力になっています。

 

 音文では開館以来、鑑賞事業のほかに、練習場施設の特色を生かした育成事業に力を入れており、これが最大の特徴になっています。自主事業費の4~5割が育成事業費にあてられ、年間の延べ事業開催日数は150日にものぼります。最初の10年間は、初心者を対象にリコーダーから、コーラス、オカリナまで延べ72種類の音楽教室を開催してきましたが、その中から多くのサークルが生まれ、市民の自主的な活動が活発になったものはプログラムからはずしていきました。現在は、そうしたアマチュアがレベルアップをはかるための音楽講座を開催するとともに、将来の新潟の文化を担う人材を育成する、子どもを対象としたオケ、合唱、邦楽の教室を開催しています。

 

 特にジュニアオケのプログラムは充実しており、経験者をオーディションで選んで編成するのではなく、初心者から育成するきめ細かいシステムがとられています。毎年春に団員を募集。団員は、楽器を基礎から学ぶ単科教室、合奏をする初級合奏教室、本格的なアンサンブルを学ぶ合奏教室に分かれ、段階に応じた練習を行います。現在メンバーは小学4年生から高校3年生まで110人。毎週土・日の練習、春の合宿、夏の集中練習を行い、秋にはホールで定期演奏会を開催、まさにホールの専属オケといった感じです。

 

 事業担当の寺田尚弘さんは次のように話しています。「指導者は市内の音楽の先生など18人。ほとんどボランティアで協力してもらっていて、レッスン料は無料。初心者には会館の楽器を貸し出しますから、新潟市の子どもは幸せですね。手間もかかりますが、演奏会のレベルは毎年あがってきてますし、週末には音文にいかなきゃ、という子どもたちがいるのが励みです。開館20年を迎え、今では『音楽のことなら音文に聞け』と、市民からいろんな相談が寄せられるんです。『アマチュアオケに入りたいんですが』という問い合わせから『結婚式で演奏してくれる弦楽四重奏団を探してるんですけど』といったものまで(笑)。これまで培ったネットワークから、これからも音文がいろんな意味でパイプ役になっていきたいと思っています」

 

●新潟市音楽文化会館 利用状況

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※77年度の数字が少ないのは、その年の11月に開館したため
※83年~87年まで順次4室改修
※人数は練習室利用者数とホール動員数の合計

 

[開館]1977年11月
[施設概要]ホール525席、大練習室4、中練習室3、小練習室6、楽器庫。練習室13は完全遮音構造(105db/500Hz)。
[所在]新潟市一番掘通街3-2

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