●10年の節目を迎えるフェスティバル
いよいよ夏のフェスティバルシーズンがやってきました。セミナー付きクラシックとジャズが多いのはいつもながらですが、昨年あたりから10周年を迎えるイベントが多く、今年も代表的なフェスティバルのいくつかが節目を迎えます。
ひとつが新潟県佐渡島の小木町で太鼓集団「鼓童」と町が実行委員会を組織して開催してきた民族音楽と芸能のフェスティバル「アース・セレブレーション」です。今年はワールドミュージック系のミュージシャンなど過去の出演者の中から人気の高かったグループが大集合するのに加え、一般参加のパフォーマンスも多く、賑やかなイベントになるとのこと。今年3月には「鼓童文化財団」が設立されるなど、今後の活動も含めて注目されています。
ちなみに今、鼓童が火付け役になったともいえる地域のアマチュア太鼓グループがブームになっています。札幌市では、フェスティバルが企画されるなど、「太鼓」活動が活発になっていることもあり、この機会にルーツ「鼓童」の本拠地を訪れてみるのもいいのではないでしょうか。
北海道の夏の風物詩としてすっかり定着している函館市、五稜郭跡で行われる市民創作「函館野外劇」も今年で10年。これは850人の市民ボランティアによってスタートし、今ではスタッフ・キャスト延べ1万人の市民が参加するというほかに例を見ない一大スペクタクルになっています。演目は『五稜星よ、永遠に』とこれまで通りですが、お祝いのUFOを飛ばすなどして雰囲気を盛り上げるとか。
小さいながら10年で継続が力になったセミナーも生まれています。奈良県下北山村にはヴァイオリニストの澤和樹氏が毎年訪れ、地道にセミナーを続けてきましたが、今年はその実績を踏まえ、これまでの受講生の中から選ばれた13人のヴァイオリニストによる「下北山弦楽アンサンブル」(澤和樹指揮)を編成、西日本9カ所でのツアー・コンサートが実現することになったそうです。
そのほか、熊本県小国町、山梨県都留市、この7月にコンサートホールがオープンする札幌市で古楽音楽祭が行われるなど、このところの古楽人気がうかがえます。