一般社団法人 地域創造

講座・シンポジウム・募集等

ネットワーク・トピックス

 

●新刊
「PT(パブリックシアター)」創刊
4月にオープンした世田谷パブリックシアターの機関誌。「劇場のための理論誌」をコンセプトに、公共劇場と演劇のあり方について考える。創刊号の特集は「劇場の誕生」。座談会「世田谷パブリックシアターの出発」では、永井多恵子(世田谷文化生活情報センター館長)、佐藤信(世田谷パブリックシアターディレクター)、西堂行人(演劇評論家)が「公共劇場はどういう役割があるのか」について語る。定価700円。入手希望の方は、940円(送料240円)を郵便為替で下記住所まで。
〒154 東京都世田谷区太子堂4-1-1 世田谷パブリックシアターPT係 Tel. 03-5432-1525
 
●新刊
「成功する行政イベント-北九州方式-」
北九州市の実施した行政イベントの実例をもとに、行政イベントの位置づけと課題、評価方法について提案した書。第2章では「西日本国際食品見本市」「北九州演劇祭」「アジア女性会議」ほか各イベントを詳細にレポート。第3章では、北九州市で実施している行政、市民モニター、一般参加者による3つの視点を取り入れたイベントの客観的評価方式を紹介。実際に使用される評価シートなどの資料付き。定価1200円。
[問い合わせ]財団法人北九州コンベンションビューロー Tel. 093-551-4111
 
●voice
一緒に地方オケを呼びませんか?
●丸田洋一(新潟県文化振興財団)
 
 新潟県文化振興財団では、今年からシリーズで地方オーケストラ公演を開催します。
 
 地方オケは、地域を拠点に活動していて、地域文化の底上げに貢献しているところが多い。残念ながら新潟にはありませんが、そうした地域文化を考えるきっかけにもなれば、と企画したのがこのシリーズ。第1回目は7月10日、仙台フィルの公演を実施します。
 
 来年度以降の開催にあたり、この企画を他地域とネットワークして取り組みたいと考えています。ネットワークすることで、各団体の経費的負担が減り、より多くの地域で地方オケを聞く機会ができるのはもちろんですが、公演にあわせて、共同で地域文化を考えるシンポジウムなどを企画できればと考えています。来年も夏頃の開催を予定しています。興味のある方はご連絡ください。
 
〒951 新潟市一番堀通町3-13 Tel. 025-228-3577 Fax. 025-228-3818
 
●voice
オープンまであと1年
●江藤裕子(保谷市生活文化課文化会館係)
 
 1998年春、東京都保谷市に開館する「こもれびホール」。現在、その準備に奮闘中です。この3月までは、2人体制で一時は「大丈夫かしら」と心配していましたが、4月からはスタッフも6人に増え、ひと安心。でも、これからが正念場です。都心に出れば大抵の芸術には触れることができるという場所柄(池袋から西武線で約20分)、市民に愛されるホールにするためどのような特色を打ち出せばよいのかが目下、仕事上の最大の悩み。
 
 そんな悩みを忘れるため、パーッと遊んでやろうと繰り出した銀座。大好きなミュージカルを見て、ストレス発散と思ったのですが、劇場に足を踏み入れたとたん、「こんな感じの備品にしたい」「こんなキャッチコピー、ナイス!」「こんな舞台効果もあるのね」とメモをとる始末。趣味と仕事が一緒になってしまい、ストレス発散ができないのが、プライベートの悩みです。


●読者投稿欄「voice」新設
 「voice」では読者の皆さまからの声をご紹介します。エピソード、メッセージなどmiyachi@jafra.or.jpまでお寄せください。なお、問い合わせされる場合は「地域創造レターで見ました」と一声添えてください。

 

 

トピックス

 

市民文化団体の活動をベースに・松本市音楽文化ホール

 

 松本市は、小澤征爾氏が音楽監督を務める国際的な音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の開催地として、またバイオリン奏者を育てる才能教育「鈴木メソッド」の発祥地として知られ、クラシック音楽による地域づくりで稀にみる成功をおさめています。その松本市のクラシック音楽文化の拠点となっているのが、1985年に開館した松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)です。

 

 昨年度の施設利用実績をみると、音楽専用ホールの稼働率が100パーセント(利用可能日数288日)、小ホール93パーセント、練習場99パーセント、利用者数は1年で計18万3381人に上っています。96年度は主催事業6件、共催事業20件、主催セミナー3件で、主催コンサートの平均入場率が何と91パーセント(朝行われた事業1本を除く)。全国の公立ホールの平均稼働率が67.5パーセント(しかもそのうち32.1パーセントが集会目的使用。93年文化庁調べ)であるのと比べると画期的な運営状況といえます。

 

 

●藤牧隆館長補佐コメント

 

 市民文化団体の長年の運動が実ってできたホールなので、自分たちの施設だという市民の思いがとても強かったそうです。施設計画でも市民と行政が議論して、音がよくて使いやすいホールにとの声で1000席規模の予定が756席になり、新たに練習室も追加されました。特徴のある事業としては、オルガン音楽の普及と地域の市民団体が参加するオリジナル音楽劇があります。

 

 前者は自主事業の柱として企画されたもので、コンサートホールでは県下に唯一のパイプオルガンを設置し、専属のオルガニストをホール職員として抱えました。87年から毎年、子どもを対象にした夏休み体験コンサート、講習会(入門編、初級編)、新作コンサートを開いています。現在では、講習会OBがオルガン同好会(約40名)を結成して発表会を行うまでになり、利用率の高いなか、ホールの空いている時間をおさえて練習に励んでいます。演奏会用のパイプオルガンを練習用に開放しているのは全国でも珍しく、大変喜ばれています。今年で11回目になるオリジナル音楽劇は、クリスマス・イベントとして企画され、市民の実行委員会とホールが共催しています。名作童話を題材にして、松本市民吹奏楽団や地元劇団、一般公募による合唱団など、総勢150名余りの市民が1年近くかけて準備します。昨年度の入場者数は3回公演で3000人を超えました。このほか、実行委員会が企画しているものとしては生け花と音楽会を合わせた「響」、着物イベントと合わせた「雅」などがあります(いずれも満席)。

 

 私は館長補佐の3代目で、ホールに異動になって1年半になりますが、来てみて初めて松本市にいろいろな市民文化団体があることがわかりました。練習室が足らず、増築希望があるほど市民の文化活動が活発なのには驚きました。私たちが事業をやる場合も、こういう利用者団体の意見を聞いたり、チケット販売にご協力いただいたりしています。

 

●松本市音楽文化ホール 利用状況の推移

 

n26.gif

[開館]1985年10月
[施設概要]音楽専用ホール(写真はホール内観/756席)、多目的小ホール(240席、全席可動)、練習室3、研修室1
[会員組織]ハーモニーメイト(2387人)/チケット割引、隔月会報発行、ボランティア(演奏会表方、会報編集など)

※85年度の入場人員が少ないのはその年の10月に開館したため

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