新型コロナウイルス感染症は、わずかな間に多くの尊い命を奪いました。亡くなられた皆様に心からご冥福をお祈りするとともに、罹患された方も含め、ご家族・関係者の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。また、この未曽有の状況のなか、地域の文化・芸術拠点として何ができるのかを模索し、対応に尽力されている地方公共団体、公立文化施設の皆様に心から敬意を表します。
新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大は、未だ予断を許さない状況です。このような情勢を受け、公立文化施設においても主催事業の延期・中止、貸館事業の停止といった事態が生じていますし、文化芸術団体やアーティストも活動の制限を余儀なくされるなど、文化・芸術分野においても大変厳しい状況となっています。
地域創造におきましても、地域にとって必要不可欠な文化・芸術を絶やさぬよう、地域の文化・芸術に携わる皆様の声を受け止めながら、これからの時代にどのような事業を展開すべきかを、新しい発想をもって見出していきたいと決意を新たにしています。
今年度の事業につきましては、各地域、各事業によって様々な課題があろうかと存じますので、地域や公立文化施設の皆様の実情・ご意向を尊重しながら、来年度への延期や事業内容の変更なども視野に入れて、できる限り柔軟に対応してまいります。
一方、実施可能な事業につきましては、様々な創意工夫のもと各地で広がっているオンラインを活用した取り組みや、密を避けるなど制約がある中で生きた文化・芸術を届けるための取り組みなどを参考に、公立文化施設の皆様やアーティスト、コーディネーターと共に工夫を凝らし、先ずは当たり前に文化芸術が身近にあることを取り戻し、そして多様な未来に繋がる支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
また、今後の文化施策の取り組みへの検討に役立てていただくため、各地域の取り組みや支援策等の情報収集・発信にも一層力を入れてまいります。皆様の地域の情報や事業実施に係る課題やアイデアなどをお寄せいただければ幸いです。また、なるべくリアルタイムに正確な情報収集・発信が可能となるように、当財団ホームページにおいて皆様からの投稿によるプラットフォームの整備を検討しています。
最後に、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息と、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
2020年6月
一般財団法人地域創造理事長 板倉敏和