前号に続き、夏フェス以降も全国各地で開催されている多彩なアートプロジェクトを紹介します。
福島県会津若松市
10月1日~11月5日
あいづまちなか アートプロジェクト2017
会津の文化資源である漆をテーマとした「会津・漆の芸術祭」と、会津が誇るアーティストの優れた芸術作品などを展示する「まちなかピナコテカ」を二本柱としたアートイベント。古くから地域にある建物がもつ空間的魅力と芸術作品とのコラボレーションにより、まちなかをアートで彩る。
[会]七日町通り・野口英世青春通りなどを中心とした市内各所
[問]あいづまちなかアートプロジェクト実行委員会
Tel. 0242-39-1305
石川県金沢市
9月10日~12月17日
2017ビエンナーレいしかわ 秋の芸術祭
1999年に始まった県内最大の総合芸術祭。10回目となる今年は、芸術文化協会加盟団体によるオープニングステージや東西の人気落語家が揃う「金沢落語まつり」のほか、47の加盟団体による公演や展覧会など、3カ月にわたり過去最多となる60の事業が予定されている。
[会]石川県立音楽堂、金沢歌劇座、北國新聞赤羽ホールほか
[問]2017ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭実行委員会事務局
Tel. 076-263-6080
長野県東御市
9月30日~10月29日
天空の芸術祭2017 「Life is ART」
東御市と東京藝術大学による域学連携事業としてスタートした芸術祭。総合プロデューサーは現代美術家で東京藝術大学副学長の保科豊巳。「アートは地域の自然や生活から生まれてきたお祭りのようなもの」という発想で、旧稚蚕飼育所をはじめ、美術館や神社、池などを会場に展開する。2回目の今回は地元作家から招聘作家まで27名と3チームのアーティストが参加。
[会]長野県東御市北御牧地区
[問]天空の芸術祭実行委員会
tenkuartfes@gmail.com
静岡県掛川市
10月21日~11月19日
かけがわ茶エンナーレ
美しい茶畑が広がる掛川市で開催されるお茶とアートが融合した芸術祭。国内外で活躍する21組の日本人アーティストと、一般公募で選ばれた市民らが、お茶をテーマに100件以上の多彩なプログラムを展開する。市内全域の50カ所以上の会場では、おもてなしの心「喫茶去(きっさこ)」の精神とアートと掛川茶が来訪者を出迎える。
[会]掛川市内各所
[問]かけがわ茶エンナーレ実行委員会
Tel. 0537-21-1126
名古屋市
10月28日~11月19日
やっとかめ文化祭
知られざる都市の魅力の再発見や情報発信を図るため、歴史的建造物などを活用して、名古屋独自の歴史や文化に根ざしたイベントを繰り広げる。能・狂言、舞踊などの舞台公演や、観覧無料の辻狂言、ストリート歌舞伎、お座敷芸など、多彩な芸を披露するほか、まち歩きミニツアーなどを開催。
[会]名古屋能楽堂ほか市内各所
[問]やっとかめ文化祭実行委員会
Tel. 052-262-2580
愛知県豊田市
公演:9月10日、24日、10月8日
展示:11月19日~26日
農村舞台アートプロジェクト2017
農村舞台をギャラリーや劇場に見立てて、展覧会やライブを地域住民と協働で開催するプロジェクト。オペラガラコンサート(9月10日)や小田木人形座と黒田人形保存会の合同公演(9月24日)、舞踏カンパニー倚羅座公演(10月8日)、藤岡地区の農村舞台を使ったアート展が開催される。
[会]磯崎神社、八幡神社、諏訪神社ほか
[問]豊田市文化振興財団
Tel. 0565-31-8804
愛知県長久手市
9月30日~10月22日
ながくてアートフェスティバル2017
今年で11回目を迎えるアートフェスティバル。“交流元年”をキーワードに、作家と“会える・話せる”アートフェスを目指し、作品展示の鑑賞だけでなく、作家と一緒に会場を巡ったり、カフェで話ができるなど交流のもてるバスツアーなどを企画。また、さまざまなジャンルの製作体験教室なども開かれる。
[会]長久手市文化の家ほか市内各所
[問]ながくてアートフェスティバル実行委員会
Tel. 0561-61-3411
滋賀県長浜市
10月7日、8日
ART IN NAGAHAMA 2017
1987年に「秀吉公が長浜城下にもうけた楽市楽座を、芸術の視点で再興する」ことをテーマとして、さまざまな職業の市民が議論を重ねてスタート。毎年、長浜の中心市街地に全国から約200組のアーティストが集結。今年は動物墨絵師の佐藤周作が1週間滞在し、地域のイメージに合う動物の絵を襖に描くライブペインティングや、滋賀県立大学デザイン専攻の学生によるバードハウスの展示販売なども行われる。
[会]長浜市中心市街地
[問]NPO法人ギャラリーシティ楽座
Tel. 0749-65-0393
京都市
10月14日~11月5日
KYOTO EXPERIMENT 2017 京都国際舞台芸術祭
2010年より毎年秋に京都市内の劇場を中心に世界各地から先鋭的な舞台芸術を紹介してきたフェスティバル。8回目の今回は「内なる他者との出会い」をテーマに、アーティスト自身が地理的・ジャンル的・方法的な移動を行い、慣れ親しんだ自らの文脈を切断してみることで、自らの内でありながら“異なるもの”を見出すことを企図する。金氏徹平、パク・ミンヒ、ハイナー・ゲッベルス×アンサンブル・モデルン、ダレル・ジョーンズ、トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーらが参加。
[会]ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場春秋座、京都府立文化芸術会館ほか
[問]京都国際舞台芸術祭実行委員会
Tel. 075-213-5839
神戸市
9月9日~11月23日
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2017
現代アートを通じて自然豊かな六甲山の魅力を再発見する展覧会。2010年に始まり、8回目となる今回は公募アーティストを含む全39組のアーティストが出展。神戸市立六甲山牧場を新会場に加えた全11会場をピクニック気分で散策しながら鑑賞を楽しむことができる。会期中はワークショップやパフォーマンスなど、さまざまなイベントも行われる。
[会]六甲ガーデンテラス、六甲オルゴールミュージアム、六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)ほか
[問]六甲ミーツ・アート 芸術散歩2017インフォメーション
Tel. 078-891-0048
神戸市
11月3日~25日
下町芸術祭2017
神戸の下町風情残る長田エリアを舞台に、地元のアーティストやアートマネージャー、商店主らにより実行委員会を構成して開催している芸術祭。2回目の今年は「境界の民」のコンセプトの下、劇場や空き家となった古民家などの地域資源を活用して、29組のアーティストによる現代アート作品の展示やパフォーマンスを実施。
[会]ArtTheater dB KOBE、ふたば学舎、角野邸ほか
[問]新長田アートコモンズ実行委員会
Tel. 078-647-7430
奈良県全域
10月21日~11月5日
奈良・町家の芸術祭 はならぁと2017
2011年に始まった空き町家を活用したまちづくりアートプロジェクト。メイン会場となる「喜楽座(きらくざ)」(通常非公開)は、重要伝統的建造物群保存地区内に芝居小屋が残る事例としては全国的に珍しい特色ある歴史的建築物で、文化が育まれていた過去、そして息を吹き返す未来を見据えながら展覧会を開催する。
[会]奈良県全域(宇陀松山エリア、橿原エリア、吉野町国栖エリア、曽爾村エリア)
[問]奈良・町家の芸術祭HANARART実行委員会
Tel. 0745-80-2312
山口県宇部市
10月1日~11月26日
第27回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)
1961年に、戦後の街の美化と心の豊かさを求める市民運動を契機として始まった大規模な野外彫刻の公募展。世界約30カ国のアーティストが応募するまでに発展し、展覧会終了後、上位受賞作品は市内に設置されている。今年は29カ国から277点の作品が応募され、鑑賞ツアー、ダンスパフォーマンスやトークショーなども行われる。
[会]UBEビエンナーレ彫刻の丘 ときわミュージアム
[問]UBEビエンナーレ事務局
Tel. 0836-37-2888
長崎県長崎市
9月17日~10月25日(展示期間9月27日~10月25日)
長崎アートプロジェクト2017「ニット・インベーダーin長崎」
国内外で活躍する現代美術アーティストが長崎に滞在し、地域の人々と交流しながらまちを舞台に作品を創ることで、気軽に現代アートを楽しんでもらうきっかけづくりとして平成22年度から開催。今年はニット作品でまちを“侵略”するプロジェクトを各地で展開しているハイパーニットクリエイター・力石咲を招聘。作品展示のみならず、屋外での公開制作やワークショップも開催し、作品が生まれる過程やアーティストとのふれあいも楽しめる。
[会]長崎歴史文化博物館および中島川~寺町エリア
[問]長崎市
Tel. 095-842-3782
大分県竹田市
10月14日~29日の土日 ほか
TAKETA ART CULTURE 2017
2011年に竹田市に移住した美術ユニット・オレクトロニカによりスタートし、今年7年目を迎えるアートプロジェクト。デザイナー・猿山修と、キュレーター・花田伸一をゲストに迎え、2018年秋をゴールとする竹田市在住クリエイターとの協働プロジェクトのキックオフとなる。まち歩きをしながら、竹田市内外を拠点に活動するアーティストや工芸家、写真家、書家等による作品が楽しめる。
[会]大分県竹田市城下町エリア一帯
[問]竹田アートカルチャー実行委員会
Tel. 050-3631-8538(インフォメーションセンター:真抄洞shinshodo)
大分県別府市
10月28日~12月24日
西野 達 in 別府
「in BEPPU」は2015年まで行われたトリエンナーレ「混浴温泉世界」(別府現代芸術フェスティバル)の後継企画として16年に始動した個展形式のアートプロジェクト。今回のアーティストは、大がかりなインスタレーションを手掛けてきた西野達。JR別府駅前の油屋熊八像や手湯を仮設物で囲んでホテルをつくる「油屋ホテル」など、市街地に複数の作品を点在させ、「芸術めぐり」として別府市内を回遊して楽しむことができる。
[会]別府市内各所
[問]混浴温泉世界実行委員会(NPO法人BEPPU PROJECT内)
Tel. 0977-22-3560